秋ヒロト
文学の世界には「チェーホフの銃」という言葉があります。物語に銃が持ち込まれたら、それは必ず発射されなければならないというもので、逆に言えば、必然性のない小道具は登場させるべきではないということ。多かれ少なかれ、物語の作り手はそうした「チェーホフの銃」を意識しているわけですが、ある意味ではそれとはまったくかけ離れた物語世界で描かれるのが、童話や昔話です。
グリム童話には大人が読んでこそ面白いような、シュールさや荒唐無稽さが魅力のおはなしがあって、ぼくはそこに憧れを感じたりもしています。ちなみに「カボ!」好きの方にとりわけおすすめのおはなしが、次の3つ。
(1)「こわがることをおぼえようと旅に出た男の話」
(2)「六人の男が世界をまたにかける」
(3)「フリーダーとカーターリースヒェン」
本によってタイトルが少しずつ違うと思いますが、興味を持った方はぜひ読んでみてください。(2015.04.09)